宇宙の片隅にて

ついったーでは書ききれない思ったこと長文を勢いで書いてる。気まぐれにいろいろ書きます。もうちょっと更新頻度あげたい。感想はネタバレあり。

【三浦大知さんの話】「Backwards」の衝撃

こんばんは、ゆにすです。

本日の曲は三浦大知さんの「Backwards」

(28th Single「Backwards」(2021.4.21発売)より)

 

初めてミュージックビデオを見たときの衝撃といったら...


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唖然呆然。何もできなかった。

「カッコいい」も「すごい」も「好き」も何も言えなかった。(カッコよくてすごくて好きだけど!)

あの衝撃体験に対するアクションと言葉を持ち合わせておりませんでした。

結局その日は1回しか再生できず「何だったんだあれは..」と思いながら寝ました。

以前ならたぶん「すごすぎて消化に時間がかかるから」とか言うと思いますが、この曲は逆ですね。私が曲に飲み込まれました。

大知さんの曲はこれまでも曲が自分の中に入ってくるのではなく自分のほうが曲にもっていかれるような感覚はありましたが(特にMV付きだとそう)、こんな完全に飲み込まれたの初めてでは?

私は周りと比較すると映画でもドラマでものめりこむ傾向がおそらくちょっと強い気はしていますが、まさかミュージックビデオでそれに近い体験をするとは思ってもいませんでした。

初日こそ1回しか再生できなかった私ですが、あっさりハマってしまい仕事から帰るとふとんに転がってタブレットでずっとリピート再生する生活をしておりました。

 

ところでこの曲、通常のミュージックビデオに加えダンスバージョン、ソロバージョン、ダンスレッスンとサービスが手厚いのだが(何でこれ全部無料で見れるんだ...?)、それらを見て改めてミュージックビデオがいちばん曲の「世界」を観れるように感じました。

ダンスの振り付けがすごいのはもちろんだけど、そのダンスシーンとどこの部分を使ってどこにソロシーンを入れるのか、ソロは歌っているのか踊っているのか、カメラはどこから撮るのかどう動くのか...ミュージックビデオ内でダンスは曲を表現する1要素であって他の要素と組み合わさって「Backwards」になる。


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ダンスしているとすごいのもあってついダンスもっと見せて!みたいな気分になりがちだったのですが(大知さんに限らず)、そうじゃないんだよなああああ過去の自分よ。

「I'm unstoppable」のところとか分かりやすいが、定点とカメラがぐわーーっていくのでは全然違う。

そんな映像表現の1つひとつもすべて曲になっている感じがすごすぎる。

それはそうとしてダンス見せて!の願望すらフォローされているの手厚い。


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ついでに踊りたい!までフォローされていて手厚すぎる。

私は踊れないけど。


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もちろん曲だから音源を聴くだけで十分成立しますけど、映像を見ることでより曲に対する具体性が増すというか、解像度が上がるというか、共通認識が多くなるというか...

 

この曲が持っている感情は大きくて強い。もう普段の穏やかな大知さんからは想像つかないくらいバチバチにブチ切れている。

でもやたら抽象的でもある。めちゃめちゃ怒っているけど何に怒っているのかは言ってない。そこに聞き手(私)が入り込む余地があります。これ何なら一人称も日本語で出てこないですね、「I」しかない(Nao'ymtさんがどこまで意図したのかわからないけどさすがとしか言えん)。おそらく自分の事情を無意識的に勝手に乗せて大知さんと一緒に怒っている部分がある。怒っている自覚もないままに。自分が画面の中に取り込まれてしまったかのような、曲の片隅で一体化しているような、ヘンな感覚に囚われてグラグラします。

 

実際に言葉や態度に出さ(せ)なくても、心の中Backwardsくらい荒れ狂っているときありますからね。ずっとBackwardsというより、瞬間風速Backwardsとか、積もり積もって爆発Backwardsとか。

会社から帰宅した後延々とリピートしていることを知人に言ったらストレス溜まってるんじゃないか?と心配されました。そのときは大丈夫だと答えましたが今思うとストレス溜まってたかもしれません…ちなみに知人は出先で流れていたのをきっかけに聴いて気に入ってくれたようです。

 

加えて大知さんのきれいなお声は耳馴染みが良く、曲では感情大爆発ながら生々しさがかなり少ないように感じます。ぶつけられるまでいかなくても他人の感情を感じると「おうっ」ってなりますが、その抵抗感がかなり少ないという感じでしょうか...

例えば私がBackwardsを歌うと、なんというか...恨み節みたいな感じになります...

Backwardsに限らず前々から大知さんの曲を聴くたびに不思議だな~と思っている部分です。 

怒りというところでいくとAdoさんの「うっせぇわ」なんて分かりやすい。内容は具体的だし感情は生々しい。感情移入タイプですよね。曲が自分の中に入ってきて乗っ取られる感じ。歌い手といっしょに「はぁあああああうっせぇわ!!!」と言いたくなりますもん。こちらはこちらで好きです。

 

これだけブチ切れておいてこの曲は大知さんいわく「ポジティブな曲」らしい。

 

backwardsは「後方へ、後方に」という意味ですが、これを反転させた表記が使われていますし何ならCDのジャケットも逆。

backwardsが反転して前向きになる。でもまだforwards(前方へ backwardsの反対語)ではない。

後ろ向きに歩いている気がして我慢できないと前に進もうともがいている段階って私の感覚だといちばん苦しいところだと思うしなんせ怒っているのでネガティブだと思っていたのだが、大知さんからするとその段階はポジティブであるようです。

この捉え方を知って何だか少し救われた気がします。

 

Backwardsは3/12に先行配信・ミュージックビデオ公開だったのでもう4か月経ちましたが、相変わらず私の中ではBackwardsフィーバーが続いております。

 「I'm sick and tired of walking backwards!!!(後ろ向きに歩くのはうんざりだ)」と言いながらクルマ運転して物理的に爆速前進している会社帰りの夜はちょっとすっきりする.。

 

 [参考]前書いたやつ↓

三浦大知さんの話がしたい -Backwards編- - 宇宙の片隅にて