洗濯機が動いている間は何もしなくていい
こんばんは、ゆにすです。
洗濯機が洗濯を終えるまでの1時間弱、やれることはあまりない。
うちの洗濯機は乾燥まではやってくれないので、洗濯が終わったらなるべく早く中身を取り出して、干さないといけない。
洗濯機が動いている間は、時間の読めないことや中断しないといけないのが明らかな作業はできない。やりたくない。
例えば、外出すること(徒歩5分のセブンイレブンは除く)、
仮眠をとること、
映画やドラマを見ること、
ゲームをすること、
趣味で絵を描くこと、
仕事のための勉強をすること、
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ザブザブと洗濯機が動いている音がする。まだ洗濯は終わらない。
あとしばらく何もできない。
ゴトゴトと洗濯機が動いている音がする。そろそろ脱水に入っただろうか。
まだしばらくこのままでいられる。
ザブザブ、ゴトゴト、わずらわしくて、安心する音。
まだ、何もしなくていい。
洗濯機が動いている間にできることなんて、本当はたくさんある。洗濯という面倒くさい家事を洗濯機は引き受けてくれているのだから、その時間を有効活用したほうがよっぽどいいだろう。干す作業がどうしても嫌なら乾燥までやってくれるドラム式洗濯乾燥機に買い替えるという手もある。あれ高いけど...
だけど私は「洗濯機が動いている」ことを言い訳にして、1時間弱の生産性のない時間をむさぼっている。
「効率よく」とか「時短」とか「すきま時間を有効に」とか言われ始めたのは高校受験を控えた中学生ぐらいだったろうか。本業が勉強から仕事になってもそれは変わらない。
言っていることはわかる。時間は有限なのに、やることもやりたいことも盛りだくさんだ。有効活用できるに越したことはない。
でも息苦しくなる。やりたいことをやっているはずなのに、心の底から「やりたくない」と思っていることは引き受けていないのに、やる気のない自分がいる。全部放り出して逃げ出したい自分がいる。
そんなだらしない自分を受け止めて、だらしない欲望をちょっとだけ叶えるための言い訳のひとつが「洗濯機が動いている」だ。自分の中の正論をぶん殴って、一時休戦できる言い訳。「洗濯物たまっているし」「今洗濯してるからしょうがないよな」「終わったら干さなきゃいけないし」「あれもこれも、今できなくてもしょうがないよね」...............
ザブザブ、ゴトゴト、洗濯機の大きな音がする。わずらわしくて、泣きたくなるくらい安心できる音が洗面所の扉越しに部屋に響いている。
もうすぐ洗濯も終わりだろう。
ピーーーという洗濯終了の電子音とともに、のろのろと動き出す。
濡れた洗剤の匂いに後押しされて、また歩き出す。